この世の果て
同じところを、ぐるぐると回っているのか、

それとも、この森がとてつもなく広いのか・・・




僕は途方にくれる。


やっぱり、僕にはかなしみなんて備わってなかったんだ。


理由はどうであれ、人を殺した僕には、かなしむ権利なんかないのかも知れない。


このまま、この森に閉じ込められたまま、死ぬのか・・・。



木の幹にもたれかかり、空を見上げると、夕日は既に沈み、青い夜が忍び寄っていた。




くんっ、と
僕のズボンの端を何かが、引っ張った。





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