*俺だけのマドンナ*
アリサはまだ店の前で
親父と並んで立ち止まっていた。
タクシーでも待ってんのか?
っつーかタクシーなんか乗って
どこ行くんだよ。
優衣は何も知らずに
俺の腕を組んで歩く。
どこ行くの?とか聞いて、
足はしっかりホテルの方向に
向いてんじゃんかよ。
俺はなんとなくアリサにバレたくなくて
さりげなく下を向き、
顔を隠してアリサの店の前を通った。
そしてホテルに着いた。
またこのホテル。
綾子と行ったとこだっけ。
ってか、アフターしてくる女は
決まってここのホテルに来る。
まぁ店から近くて、
そこそこいい部屋だからな。
俺の頭からはアリサが離れない。