*俺だけのマドンナ*
それからそのオヤジは何度も店に来て、
あたしを指名した。
だんだん高いお酒を入れるようになった。
そして今日、この店で
めったに出ない、一番高い
お酒を入れた。
「アリサちゃんのために、奮発しちゃおうか〜!」
「ありがとうございます!」
一応、あたしは満面の笑みで
オヤジに軽く寄り添ってみせた。
するとオヤジはあたしの太ももに
手を乗せてきた。
調子にのらないでよね。
汚いなぁ。
「アリサちゃん、今日はアフターお願いしてもいいかい?」
「え?アフターですか?」
「いいだろう?アリサちゃんもこんな酒飲めるなんて嬉しいだろう?」
そんな言い方ずるい。
「‥‥‥わかりました。」
「うん、よし、出るか。」
時計を見るとそろそろ閉店時間。
あたしはオヤジと一緒に店の前で
タクシーを待つことにした。