*俺だけのマドンナ*

「あら?アリサ?」


店のドアが開いて、誰かが出てきた。


「え?あ、ママ!」



助けて!


「アリサまだいたの?あ、お客様とご一緒だったのね。」



「‥‥‥‥」



「‥‥あ!アリサ、ちょっと事務所に戻ってもらえる?あの、お客様、大変申し訳ございません、今日のことは必ず埋め合わせさせますんで‥‥」


ママはあたしの訴えが通じたのか、
オヤジに今日はアフターは行けないと
伝え、謝りだした。



「あ?アリサちゃん今日はダメなのか?」


「えぇ、ちょっと急用ができまして‥‥すいませんねぇ。」


「さすがナンバーワンは忙しいのう。次は必ずだよ。」



オヤジはママに言われたので
しぶしぶ帰っていった。




助かった‥‥‥








「ママ!ありがとう!」



「やっぱり困ってたのね。」



「うん‥‥でも次があるのかな‥‥」


「一回はアフター行かなきゃいけないかもしれないわね。」



「でも、あの人、ホテルに行こうとしてたの、たぶん‥‥」



「それはダメよ!なんとかうまいこと言って断りなさい。もし何か危なかったらその場で逃げてきてもいいわ。体が第一よ。」



ママは店の心配ではなく
あたしの心配をしてくれた。


そのことがすごく嬉しくて
安心した。






< 79 / 92 >

この作品をシェア

pagetop