*俺だけのマドンナ*
「あら?アリサ?」
店のドアが開いて、誰かが出てきた。
「え?あ、ママ!」
助けて!
「アリサまだいたの?あ、お客様とご一緒だったのね。」
「‥‥‥‥」
「‥‥あ!アリサ、ちょっと事務所に戻ってもらえる?あの、お客様、大変申し訳ございません、今日のことは必ず埋め合わせさせますんで‥‥」
ママはあたしの訴えが通じたのか、
オヤジに今日はアフターは行けないと
伝え、謝りだした。
「あ?アリサちゃん今日はダメなのか?」
「えぇ、ちょっと急用ができまして‥‥すいませんねぇ。」
「さすがナンバーワンは忙しいのう。次は必ずだよ。」
オヤジはママに言われたので
しぶしぶ帰っていった。
助かった‥‥‥
「ママ!ありがとう!」
「やっぱり困ってたのね。」
「うん‥‥でも次があるのかな‥‥」
「一回はアフター行かなきゃいけないかもしれないわね。」
「でも、あの人、ホテルに行こうとしてたの、たぶん‥‥」
「それはダメよ!なんとかうまいこと言って断りなさい。もし何か危なかったらその場で逃げてきてもいいわ。体が第一よ。」
ママは店の心配ではなく
あたしの心配をしてくれた。
そのことがすごく嬉しくて
安心した。