*俺だけのマドンナ*
「ご指名ありがとうございます。」
「アリサちゃんっていうの?可愛いね。」
「いえ、ありがとうございます。」
なんか、ちょっとだけかっこいい。
仕事できる人って感じで、
スーツがよく似合っている。
「初めて来たんだけど、このあと飲みに行かない?」
「飲みにですか?‥‥‥はい、いいですよ。」
ついついオッケーしてしまった。
タイプだったわけじゃないけど、
なんとなく安全そうな人だから。
「うん、じゃぁ仕事でよく行く居酒屋でいいかな。」
「はい。」
まだ会ったばかりで簡単に
誘いに乗るなんて甘いかな。
ヤバかったら逃げればいいもん。
しばらく話していて、
その人は25才で、
コンピューター関係の仕事をしている
と言っていた。
それからあたしは二人で
店の前でまたタクシーを待った。
昨日のオヤジとは大違い。
気持ちが晴れていた。