俺はヘタレなお試し彼氏。
俺は決めた。


すぐに誤解を解くために…


ポケットの中の物を出すと。


「高梨…はい…」


俺は小さな箱を高梨の前に置いた。


「ぐすっ…かん…ちゃん…?」


「開けてみて?」


高梨はこくんとうなずき、外のラッピング用の箱を…

そして中身のふたを開けた。


「これ…」


箱の中身。


それはシンプルな指輪。


お金がないから形だけになってしまうけど、俺が彼女の証と言えばコレと思い約半年前に買ったものだった。


「あと文字彫ってもらったんだ。」


高梨が文字を見てまた泣き出した。


「半年前からずっと渡そうって思ってた。


でも渡せなくて…気持ちさえも言えなくて…。


俺は高梨が思ってるよりも何もできないヘタレなんだよ…。


嫌なら嫌って言ってくれていい。


こんな俺でもちゃんと付き合ってくれますか…?」


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