フェイク
櫂はコップの中の水と薬を自分の口に含み、そのまま私の口へ流し込んだ。
唇の隙間から水が流れて首筋を伝う。
櫂はそれをも舌で拭って私の舌に絡めてきた。
・・・誰とも付き合ったことがない櫂がマンガやドラマでありがちなことをするのは分かっていたけど少しだけ、しないんじゃないかと思っている自分がいた。
櫂が更に唇を貪っていく。
静かに身を委ねていると、だんだん櫂が唇を舐めるようにしてキスしているのに気がついた。
多分、私がさっき彼氏とキスしたのにまだ嫉妬しているんだろう。
気付けば私も自分から櫂を求めていた・・・。