ただ伝えたくて
それぞれの気持ち
次の日理沙が家を出ると、智が玄関の前に立っていた。
「おはよう!今日は朝練ないんだ?」
理沙は笑顔で言った。
「おはよう。ちょっと寝坊したんだ」
「え?智先輩が珍しいね」
その言葉に智は、苦笑いしながら話を続けた。
「まぁな、それよりデートはどうだった?」
智の言葉に、理沙は少し照れ笑いしながら言った。
「うん、すごい楽しかったよ」
理沙の表情を見て、智は心の中が嫉妬で渦巻いていた。
そして憂鬱な授業は過ぎ、昼休みになった。
圭は購買でパンを買っているところだった。
「よう!圭じゃん」
すると正也が話しかけてきた。
「あれ?真奈ちゃんとは食わないのか?」
「もちろん食うよ!今は飲み物買いに来ただけ」
正也は嬉しそうに笑って言った。
「あっそ、じゃあラブラブに過ごせよ」
圭は自分のパンを買うと、軽く手を振って歩き出した。
「おう!あと、昨日はありがとなー」
そう言うと、正也も真奈の元へ戻っていった。