ただ伝えたくて
正也と別れた圭は、屋上に来た。
「あれ?圭君独りなの?」
誰もいないと思ってドアを開けると、そこには理沙がいた。
「うん。たまには独りで食べてもいいかなと思ってさ」
「実は私も!じゃあ、一緒に食べようよ」
圭はそうだなと言うと、理沙の隣に腰をおろした。
二人で昼食を食べていると、理沙がふと思い出したように圭に言った。
「そういえば、映画って土曜日の10時だよね?」
「そうそう!」
すると理沙は嬉しそうな笑顔で言った。
「了解!すごい楽しみにしてるね」
その笑顔を見た圭は、思わず胸の鼓動が早くなっていた。
そんな会話をしていると 昼休みの終わりを告げる 予鈴のチャイムが鳴る。
「神崎、そろそろ戻ろう?」
圭が理沙に言うと、2人は一緒に戻って行った。