ただ伝えたくて
それから理沙と圭は、正也と真奈の所へ戻って昼食を食べた。

「みんな飯食ったか?」

そう正也が確認すると、みんなはうんと頷く。


みんな昼食を食べ終わったと分かると、4人は遊びに行くために飲食店をでた。



「どこ行こうね?」

「真奈の好きなところで良いよ」

また2人の世界に入り出す正也と真奈。


それを見た圭は、何か思いつき理沙にこっそりと話す。

「神崎、あいつら二人っきりにするから、今から走るぞ」


すると圭は、理沙がまだ何も言ってないのに理沙の手を掴んで走り出した。


「え!ちょっと圭君っ!」

理沙は圭の名前を呼んだが、圭は止まることなく走り続けた。



走り出して少したったころ、理沙が後ろを振り向くと2人の姿は見えなくなっていた。

「圭君!もういないよ?」

その言葉を聞くと、圭はその場に立ち止まり、理沙の手を離した。

「また手ごめんな?でも、無事成功できた」

手を掴まれていたことに今頃気づいた理沙は、少し顔を赤くしていった。

「だっ大丈夫!それより、これからどうするの?」

「んー、せっかくだし遊ぶか?ってか、顔赤いけど大丈夫?」

その言葉に理沙は動揺しつつも、誤魔化すように必死に笑って言った。


「全然平気!じゃあ、遊びに行こう!」

「じゃあどこ行く?」

圭は自分の持っていたパンフレットを取り出し、理沙に見せて言った。
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