となりんち。
「あ、もう帰らなきゃ。」
「お、もう夕食?」
「うん。7時だもん。」
「おお、じゃあな。」
「じゃね。」

宏ちゃんの部屋を出るときなんだか名残惜しい。
さびしい。
いつからだろう。
そんな気持ちになるようになったのは。
きっと、ずっと、ずーっと前からだ。

多分、こんな時人は告白するのだろう。
でもあたしはできない。
振られるのが怖いわけじゃない。
あたしができない本当の理由。
それは、宏ちゃんが、18歳、高3。
あと、3ヶ月で大学生。
きっと宏ちゃんにとって、あたしは妹的存在でしかない。

< 2 / 11 >

この作品をシェア

pagetop