転勤族妻の冒険~迷える狼ホストと子羊ちゃんの恋~
「どうしたの?余り好きじゃなかった?」
「え?イヤぁー、好きだよ…ありがとう。」
「良かった」
「ゴクッ…おいしい…」
「そう、おかわりまだあるから、好きなだけ飲んで♪」
「そんなに、飲まねーよ」
「そっかぁ~だねぇ~」
「そうだよ。」
「ゴクッ…懐かしい味…昔さ、うちの母親が、よく作ってくれててよ…」
「そうだったの…」
「あぁ…けど…」
「けど…?」
「中学ん時に、親が離婚して…それっきりーー」
「ーーー会ってない…の?」
「あぁー。俺はさ、オヤジ、あ、俺のオヤジ。ダメなオヤジでさ。
浮気、おふくろにバレて…。
一度なら、おふくろも、我慢できてたみたいだけど…何度もやってたみたいでさ……。
……で、おふくろも、オヤジに見切りつけつ………」
「……つけて…?」
「……他に男、作って、出てった。」
「…………そう。。。。。」
「それ以来、ココアは飲んでなかった。
なんか、飲むのも、抵抗…あったしーー」
「ごめん!あたし、余計なこと、したよね!?」
「あ、気にしなくていいって…おかげでさ、子供の頃の、想い出、思い出せたし…それに、うまかったし。」
「そっかぁ…」
「あぁー」
「やっぱり、もう一杯飲む?」
「えっ?あぁー、じゃあ、もう一杯だけ…」
「はい♪了解しました。」
すごく、静かな時間…。
これが、普通の家庭なのかな…
リビングに、写真、飾ってあるしーー
よその家なのに
なんで、ここ、変に落ち着くんだろう…。