転勤族妻の冒険~迷える狼ホストと子羊ちゃんの恋~
「……ハァ……泣きそうーー。ホントのキミはさぁ~、優しい子じゃないの?
ううん。優しい子だよ。
ホントに悪い奴だったら、あたしの事、どんなに、あたしが抵抗しても、襲ってるはずだよ。
けど、キミは、やめてくれた…。
それは、キミが、ホントは、いい子で優しい子なんだからじゃないの?」
「違う…」
「違わないって!キミは、ただ忘れているだけだよ!ホントの自分をさ。」
「ホントの…自分?」
「そう、ホントの自分。
いい、自分の心に、ウソばかりついて生きてると
自分の心、知らないうちに傷つけて、壊してしまうんだよ。」
「自分を、壊す?まさかぁ…」
「ううん、だって、シュウ君、現に今、自分の今の、鏡に写ってる自分の顔見て、驚いてるんじゃないの?」
「……え?」
「キミの顔、ホストクラブで初めて見た時と、まるで別人だよ。
それに、覚えてる?
シュウ君、弥生さんから、「ホストやめたら」って言われたこと。」