枕草子・伊勢物語

252段 世の中に、なほいと心憂きものは

　世の中で、とても嫌なことは、人に憎まれることよ。憎まれたいなんて思っている人は、どうかしているわ。仕事場、親、兄弟のなかでも好かれたり好かれなかったりすることがあるのは、とても虚しいじゃない。

　地位に関わらず、親などに愛されて可愛がられる子は、周りの注目を浴びて、大切にされるものね。傍目にも可愛い子どもは、当たり前だろうけど、親が可愛がると思う。そうでなくても、どんな子でも親はその子を愛しく思うわ。素敵ね。

　親からも、上司からも、普段から仲良くする人からも、誰からも好かれ愛されること。これ以上に素晴らしいことは無いわ。