あの日の夕日が優しかったので


それでも僕は一度も休まず
そう、一度も休まずに

学校に通い続けた。


別に通い続けることが強いとか
偉いとかそんなことは思ったことない。


ただ、母に心配をかけたくなかった。



パートで朝はやく家をでて
夜おそくに帰ってくる。

僕を学校に通わせるため、
不自由なく生活できるために
やってくれている。


そんな母にこれ以上迷惑はかけたくなかった。



ものがなくなったって、自分のわずかな小遣いで買った。

服がボロボロになったって、いくら汚れたって、
母が帰ってくる前に自分で洗濯してなんとかやった。

学校どう?ときかれたら楽しいでつきとおした。




僕は家ではいかにも、
学校が楽しくてたまらない中学生を演じ続けたのだ。












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