あの日の夕日が優しかったので
そんな僕にも、まだ話しかけてくるヤツはいた。
クラス替えの時なんかは、とくに多かった。
それでもどのクラスにもいじめっ子てのはいるわけで。
僕はかっこうの獲物ってわけだ。
一度捕獲されると、そうそう逃がしてくれるはずない。
「オレはお前の味方だよ。」
そう言ったヤツは、いじめの状況をみて
簡単にはなれていく。
(所詮こんなものなんだよ)
(友達なんて)
「偽善」という言葉を覚えたのは確かこの頃。
教師には話さなかった。
話してもムダだと決めつけていた。