あの日の夕日が優しかったので
入学して、1ヵ月たった。
時がたつのは早いねぇ。なんて。
もちろん友達はいない。
作る気がないのだから、当たり前だ。
僕は順調に、毎日を送っている。
授業態度は至ってマジメ。
部活には所属していない。
クラスでの存在感、ゼロ。
同窓会なんかで、そんなヤツいたっけ?
って確実に言われるタイプだ。
つまらない、世界だなぁ。
いいんだ。これは僕が望んだ世界。
何もない。
誰にも縛られない。
平坦に淡々と日々をおくる。
これでいい。
あ、今誰か知らんけど、目あった。
あーちょっと笑われて。
アイツ、クラクネ
くそっ。友達がいないことが
そんなに悪いことかよ。
6時限目を知らせるチャイムが教室に響いた。