あの日の夕日が優しかったので

それはまるで春に吹く風のように







あまりに突然だった。




さっきの6時限目の前の休み時間を、
ほんの少しだけひきずっている僕は








いつものように、


グラウンドで汗を流す運動部を

窓からボーっと眺める。




実はこの放課後の時間がけっこう好きだったりする。






部活には所属していないし。
家に帰っても、特にやることがない。


学校は嫌いだが、


温かな夕日に包まれて
遠く聞こえる掛け声をきいて


静かに瞼を閉じる





これが自分にとって安らぎの一つとなっているのだ。




(あーきもちいい)






このまま、





このまま消えてしまえればいいのに。










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