あの日の夕日が優しかったので

憂鬱なはじまり




「ねぇ、何中から来たの?」





 ―――――――――――




「・・んだよ、聞いてねぇし」    
                
「マジああゆうの無理だわ」

「ギャハハ」




(まる聞こえだよ)



両耳から聴こえるゆったりとしたリズムとメロディーが心地いい。


(あーあ)


だがそれはいとも簡単に騒がしい笑い声と話声にかき消されてしまった。



(周りの音が完全に聞こえなくなるイヤホン、
  どっかに売ってねぇかな)




今流行りの曲をロックなミュージックにきりかえて、
音を最大まであげてみた。


(お、聞こえん)



爆音が耳を劈く




最新式の音楽プレイヤーを右手に、

覗いた窓の向こうはピンクに染まった





(あーあ)













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