あの日の夕日が優しかったので


「写真部って何すんの?」


「しゃしん、とるの。」


「まんまじゃないですか。」


「へへー。」



だからキモイよその笑い方。



「楽しい?」


「うん。」自信満々に春が頷く。



「かず何部はいってるの?」


「僕部活はいってないですよ。」


ためらうことなく答える僕に
もう一度春がうなずく。


そして突然何かを思い出したように
あ!と短く声をあげ
眠たそうな目を輝かせた。






「じゃあ、かず。


 写真部入ろうよ。」




そう言ってニコッと微笑む。




「は?」




思いがけないお誘いに
まぬけな声が出てしまった。







「いやそんな急に・・」












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