あの日の夕日が優しかったので
それからは葬式やら通夜やらで
忙しい日々を過ごした。
母は徐々に、以前の姿を取り戻していった。
2人で生きよう
私があなたを守る
そう言って、強く笑った。
こうして僕たち2人は、父の転勤先である
土地でマンションをかり、そこで暮らすことになった。
母の強い笑顔を見て、
ほんの少しだけ、
僕も強くなってみようと思った。
ちゃんと友達と向き合おう、
たくさん友達を作って、
毎日遊んでやる。
そう心に決めて
桜吹雪の中を
駈けだしたのであった。
「和也、中学校入学おめでとう。」