砂時計の村 夢魔の国のアリス
夢先案内兎
「夢ちゃん、誕生日おめでとう!」
まさか今年も家族でバースデーケーキを囲む羽目になるとは。
私の予定では初彼氏と二人で過ごすハズだったのに。
その彼氏にはつい先日、
「やっぱ、いい」
とフラれてしまったわけだ。
一体何がやっぱ、だったのか。
とにもかくにも、こうして私は家で寂しく誕生日を迎えているわけだ。
「ほら、夢、プレゼント」
父からものを貰うなんて、何年ぶりだろう。
きれいにピンクのリボンでラッピングされた大きな包みを受け取りながら、
たまにはこういうのもいいかもしれない。
なんて思う。
「開けていい?」
なんて、聞く前からリボンほどいてるけど。