砂時計の村 夢魔の国のアリス
もやもやとした中で声が聞こえた。
「起きて……起きて、アリス」
はっと目を覚ますと、そこは私の部屋じゃなかった。
砂、砂、砂。
辺りは一面砂だった。
そして隣を見れば、やたら見覚えのあるウサギ。
「おはよう、アリス」
……うーちゃん。
「アリスがなかなか起きないから心配したよ」
うーちゃんが喋るたびにウサギ特有の長い耳がぴょこぴょこ動く。
思わずその耳をぎゅっと握って持ち上げる。
……電池はどこだ。
ぜんまいか。
右手で耳を掴んだまま、空いた左手でぺたぺたとあちこちを触る。