高飛車女と副会長
亮也の変な素振りにイライラは募っていくばかり。

霧も戻ってこないし。

一人きりの生徒会室。静けさが心に染みる。

野球部の掛け声が、耳を通り抜ける。

……。オヤジのサッカー教室…。

さっきまでそばにいた亮や也が、もう一生手の届かない場所に行ってしまったような気がした。

一人きり。それは私が望んでいた事。そして今も。

私、聖陽学園の生徒会長、水代音色。

容姿は町内一、嫌県内一、日本一?綺麗で可愛い。

親は、父親の方がでっかい会社のトップで、母親の方もでっかい会社の社長。

故に金持ち。私はそこの一人娘。故に跡継ぎ。

親は両方忙しく、滅多に会わない。だからやりたい放題。

町でも有名な自宅は、お手伝いさん数名と、コックさん、そして主に私の世話係を中心に活動している付き人、霧。ちなみに二十代後半の、色男。

当然だ。私が決めたんだから。

今まで欲しいものは手に入れてきたし、やりたい事も全てやってきた。

お嬢様。箱入り娘。現実を知らない。

私の立場を知ると、多数の人は影で私の事をそう言っているらしい。

上等。

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