高飛車女と副会長
すると、中野は思ってもみない言葉を口にしたのだ。
相変わらずの色っぽい声で。

「…それって、聖陽学園の生徒会長じゃねぇか?」

は?

「だぁーかぁーら!生徒会長の水代音色の事だよ。口悪くて、性格悪いので有名の。」

み、水代音色…?

「両親が有名会社の社長で、水代音色はそこの一人娘。故に、お前と同じ金持ちの子供だ。」

口が悪くて、性格が悪い。生徒会長…。せ…。

「あれがっ!!?」
ようやく中野の話に追いついた俺は、思わず声を荒げた。
中野は心底うっとうしそうな表情を浮かべている。

こいつは自分から何か一つの物事について説明するのは嫌いらしかった。

「うっせーな。トーン落とせ。お前、あれが…てな、水代音色は学校1の頭脳を持っていて、運動神経も抜群、容姿も完璧なお嬢様なんだぞ。」

「な…何年…?そいつ…。」
ありえねぇ~といった感じだ。
人間どんな奴がいるのか。全くだ。

「ん~確か2年だったと思う。本人から聞いたし。」

その言葉に俺は更に肩を落とす。

…同い年かよ。マジで。
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