高飛車女と副会長
う~わ~って感じだ。
関わりたくない人間No.1
多分、水代なんたらに関わったら俺の日常は変わってしまう。

そんなことを冗談で考えてみたり。

まさかこの時、思った事がそのまま現実になるなんて俺は思っても見なかった。
つーか!俺はあの女に仕返ししなくちゃいけねぇし。
やられたままそのままなんてのは、性に悪い。

「でもよ、おもしろいな。」
「ん!?」
俺はヒートアップした感情を隠さずに、逆にむき出しにしていた。
中野は意味深に微笑む。

あごに手をやって、探るような目つきで。

「金持ちの子供にも色んな種類があるよな。」

…種類?何が??
中野はたまに、突然意味不明の事を言いだすので、理解するのに困る。

26歳にもなって。

中野は言葉を続けた。

「お前と水代音色は正反対だな。性格も立場も。」

「はぁ??あんな奴と一緒にすんなよ。」
吐き気がする。

あいつがもし、水代音色じゃなくても仕返ししてやる。それしか考えてなかった。

考えてなかったから、あの時、中野の言葉を聞き逃したんだ。

ピーピーと何かの効果音が部屋に響きだした。

中野が面倒くさそうに立ち上がる。


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