高飛車女と副会長
自分の、またばかでかい構造の部屋に入った瞬間、後頭部にかばんが思いっきりぶち当たった。

犯人はわかる。あのバカ中野だ。

「いって…っ何すんだよ!!」
後頭部を擦りながら、中野を鋭く睨む。

俺の前でつったっている中野は、さっきまでの表情とはまるで違っていた。

瞳は鋭く、笑っていない。
これが俺の知る、本当の中野だった。

中野はパンパンと手をはらってこちらへ向かってくる。

「ったくお前は…。態度か悪ぃんだよっ!!」

「うぉっ!!あっぶね。」

中野が突然、拳を横からふってきたので、ギリギリ避けた。
あんなん、まともにくらったら吹っ飛ぶつーの。

「チッ、外した。」
そう言って、右手を上下に振っている中野は、武道を習っていて、まともに喧嘩しても、おそらくぼこぼこにされるだろう。

俺はため息をついて、木製の椅子に腰掛けた。
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