恋文【短編】

「果たし状? なんだこれ」

……だって表に堂々とラブレターなんて書けるわけないじゃないか。

「それ、読んでおいてください」

震える声でそれだけ言うと、

さっさと帰ろうと立ち上がろうとした、

が、どういうわけか立ち上がれない。

やけに重たい右肩を見ると、

先生の大きい手が肩に乗せられていた。

「ま、そんなに急ぐことないんだろ?」
< 11 / 21 >

この作品をシェア

pagetop