Honey★Love
『そ、そっか…!』
ドキドキしてまともに喋れない。
きっと今のあたしの顔は
誰よりも赤く染まってると思う。
「瀬南?」
あたしが黙り込んだからか、
愁平が様子を伺う。
『あのっ、じゃあ8時に家の前!』
ドキドキしてることが
バレないように話を変えた。
「はいはーい!」
愁平は軽く答えるとクスっと笑った。
あたしが照れてることに
気付いてるんだろうな、きっと。
「じゃあ切るね…?」
あたしが何も答えないでいると
愁平は静かにそう言った。
『ちょっと待って!』
とっさにあたしはそう答えていた。
…あたし、なに言ってんだろ。
いま寂しいとか思ってた…
「どうした?」
そう聞き返す愁平の声が
とても愛しく感じていた。
『あたしも…愁平の声…
聞きたかったから…
…ありがと…ね』
消えそうな小さな声で
こっそり言った。