Honey★Love
『あの…』
あたし達が立ってるのは
人通りの少ない緑道だった。
「はい、強制ね」
そう言って愁平はあたしの手を握った。
そしてまた歩き出す。
『あたし!』
何かスッキリしないあたしは
大きい声を出す。
「どしたの!!」
さすがに愁平もびっくりしたみたいで
足を止めてあたしの顔を
覗き込むように腰を曲げた。
『逃げたりしないから』
あたしは真っ直ぐ愁平を見て
そう言った。
愁平が一方的に好きなんじゃない。
あたしも愁平が好きなんだもん。
だから逃げたりしないよ?
愁平はあたしの言った意味が
分かったみたいで、
優しく微笑んでゆっくり頷くと
「じゃあ行こっか」
と、あたしの手を引いて再び歩き出す。