Honey★Love


耳に少しの風を受け、

背筋がぞくぞくっとした。



『愁、バスの席…

隣の人決まってる…?』


あたしはふと緩んだ愁の腕をほどき、

愁の顔を見上げるようにして

正面に立ち、そう言った。



すると愁は眉間にしわを寄せて

困った顔をした。




え…

もう決まってる…よね。




「残念ながら…」


愁がそう言って口を開いた。

その瞬間あたしは、

しゅんとしてしまった。



しかし、愁の言葉には続きがあった。




< 72 / 80 >

この作品をシェア

pagetop