Honey★Love
耳に少しの風を受け、
背筋がぞくぞくっとした。
『愁、バスの席…
隣の人決まってる…?』
あたしはふと緩んだ愁の腕をほどき、
愁の顔を見上げるようにして
正面に立ち、そう言った。
すると愁は眉間にしわを寄せて
困った顔をした。
え…
もう決まってる…よね。
「残念ながら…」
愁がそう言って口を開いた。
その瞬間あたしは、
しゅんとしてしまった。
しかし、愁の言葉には続きがあった。