メイドの執事




俺と岳とは、幼なじみみたいなもんだ
小さい頃に両親を失って引き取られた

円も唄の親戚とはいえ、俺達と同じ状況下にいるようなもんだ

それなのに、初めて円に挨拶をされた時、円は満面の笑みをこぼしていた

だけど、俺には分かるんだ
その屈託の無い笑顔の1ピースだけが曇っていたのが…

だからこそ惹かれた
俺達と同じように何かを乗り越えようとする円に一目惚れしてしまった

俺は誰かの専属執事になるつもりは無かった
部屋の掃除をしたり、主人達の食事の際に横に立っていて、この家に居られる口実があれば良かったんだ

その考え方を変えたのが円、お前なんだ。

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