可愛い彼女と不良な彼氏
私はずっと景色を眺めていた。
ちゃんと翔と手を繋ぎながら。
翔は黙って、私と同じように景色を眺めていた。
この静かな空間が好きで、いつまでもこうしていたい。と思える。
何も喋らなくても繋がっている安心感が良かった。
「そろそろ中入るぞ。
今度こそ風邪ひく。」
「わかった。」
私たちは中に入り、椅子に座った。
「翔、連れてきてくれてありがとう」
「あぁ。」
そんな短い返事だったけど、翔が何だか嬉しそうな顔をしていたから、私も嬉しくなった。
「これ降りたら帰るか?」
「そうだね!
でも、ちゃんとお土産も買いたい。」
「あぁ。わかった。」