可愛い彼女と不良な彼氏


私はずっと景色を眺めていた。

ちゃんと翔と手を繋ぎながら。

翔は黙って、私と同じように景色を眺めていた。



この静かな空間が好きで、いつまでもこうしていたい。と思える。


何も喋らなくても繋がっている安心感が良かった。





「そろそろ中入るぞ。

今度こそ風邪ひく。」


「わかった。」


私たちは中に入り、椅子に座った。


「翔、連れてきてくれてありがとう」


「あぁ。」


そんな短い返事だったけど、翔が何だか嬉しそうな顔をしていたから、私も嬉しくなった。


「これ降りたら帰るか?」


「そうだね!

でも、ちゃんとお土産も買いたい。」


「あぁ。わかった。」



< 109 / 220 >

この作品をシェア

pagetop