可愛い彼女と不良な彼氏
「翔!」
私は大声をだす。
みんな何事かと一斉に入り口を見る。
そして、私だと分かると翔までの道を作った。
私はゆっくり翔に近づいた。
「翔?」
「…」
「ねぇ…」
「…」
何も答えてはくれない。
目さえあわせてくれない。
私何かした…?
無視って一番辛いことなんだよ?
「な…んで…?」
涙を堪えようとした。
涙で誤魔化したくなかったから。
武器だと思われたくなかったから。
でも、堪えようとするたび、また涙を誘う。