怪盗ブログ


それにしても。
この男、笑顔はいつもと変わらないのに、今日はどうもぶっきらぼうだ。

なんていうか、しつこさが足りない……?


「1ヶ月後ね。ちなみにモノは?」


「今日俺の部屋においで。今出来あがってるだけの計画話すから」


「へ、部屋!?」

というワードに反応して、思わず後ずさった。

「安心しなよ。何もしないからさ」


読まれた。

今日の様子を見る限りは、本当に仕事の話なのかも。
でもあたしを油断させるための罠かもしれないし。

だけど……

「……わかった」

考え過ぎだと言い聞かせながらあたしがそう答えると


「じゃあね」

高瀬君は屋上を後にした。


やっぱり、好奇心が勝ってしまった。
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