怪盗ブログ


―――2時間後


やっと、人並みの部屋になった。

服は洗濯機に突っ込み、ゴミ(らしきもの)は粗方片付けた。


「きれいになったね」

感心する十星。

「こんな部屋、入寮日以来だよ」


……あたし、大貴が綺麗好きでほんとよかった。


「お礼にご飯作るよ」


「え」


こいつが、ご飯を……?


「料理は得意なんだよ」


意外。
それでキッチンは片付いてたのかな。

……いやいやいや。

問題はそこじゃない。

そんなことより

「変な薬入れたりしないでよ?」

こいつには前科がある。
以前大貴がいなかった夜、薬で眠らされた。


十星は少し考えるような素振りを見せて

「チッ」

舌打ちした。



「!?」


まさか入れるつもりだった!?


警戒して見開くあたしを見て、


「……いや、冗談ね。今の」

そう付け足すとキッチンへ入って行った。

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