怪盗ブログ
暫くして、十星はオムライスをトレーに載せてやってきた。
「あーん」
とスプーンをあたしに向ける十星を無視して、自分で口に運ぶ。
見た目は美味しそうだけど、味は……
……
大貴のより美味しい、……かも。
「お味は如何ですか?」
「美味しい」
「王子様のとどっちが美味しい?」
「……五分五分」
「ふーん」
なんか、悔しい。
「……さっさと食べて掃除の続きするよ」
「え、まだやるの」
「やるの!」
十星は溜息をついて、大げさに項垂れた。