怪盗ブログ


食べ終わるとあたしは無理やり十星の寝室に連れていかれた。
驚いてぎゃーぎゃー喚いたら

「俺が1人で掃除するからそこで大人しくしといてね」

そう言って外から鍵をかけられた。



「……」


あたしを気遣っている、らしい。

別に平気なのに。


ドアの向こうでくしゃみが聞こえた。


不思議だな、と思う。

1か月前には腕を折られて、怖くて仕方なかった。
何が目的なのかもさっぱりわからないのに。

それなのに気遣うんだもん。

シャワーを浴びた後、ずっと外で待っていたから風邪をひいたのかもしれない。

まだ5月。夜風は冷たい。


信じたりはしないけど。

でも、警戒ばかりするのは申し訳ないような気もした。

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