怪盗ブログ
「まだ今日の本題話してないでしょ?」
耳元で十星が囁く。
「んー!」
あたしは唸る。
あたしはそのままリビングに運ばれ、解放されるや否や左手を十星の右手に縛りつけられてしまった。
「大貴が帰ってきたの!あたしがいなかったら変に思うでしょ!?」
「どうかなぁー」
そう言って十星が自分のポケットから取り出したのは、あたしの携帯電話だった。
「あ、あたしの!いつの間に……」
「君が部屋に来た時盗ったんだけどね」
そう言いながら、まるで自分のもののように携帯を操作する。
「王子様からのメールに返信しておいてあげた」
あたしに携帯の画面をみせる。
『そっかぁ~
じゃああたし友達のところに泊ろうかな
泊まり込み無理しないでね』
表示された送信済みメールにはそう書かれていた。
「あんた……」
勝手になんてことを、とは思うけど……
「で、これが王子様からのお返事」
『わかった。
迷惑かけんなよ。じゃあな』
「だから今日君は俺んちに泊まり込みなわけ」
助かった、というのも本音だった。