怪盗ブログ
「変?」
十星は真顔で尋ね返すと、不思議そうに首を傾げた。
「変」
あたしも真顔でもう一度言う。
いつもと違う行動が、なんだか落ち着かない。
十星は遠くを見るようにして少し考える素振りを見せると
がばっ
突然あたしの肩を掴んでソファの上に押し倒した。
「!?」
「これでいつも通り?」
にっこり。
いつも通り?……違う。
それはあたしの腕を折ったときにも似た笑みだった。
一瞬、背筋が凍る。
でもそんなことを気にしている場合ではなくて。
十星の唇は既にあたしのそれに触れていた。
もはや慣れたもの……と言いたいところだけど、やっぱりいつもと様子が違う。
何かがあたしの真一文字に結んだ口をこじ開けようとしていた。