怪盗ブログ
部屋に戻ると長い沈黙の後、大貴は口を開いた。
「あいつと関わるのはやめろ」
その目は、出会ったばかりの頃のことを思い出させた。
大貴と想いが通じ合う、ずっと前のこと。
あの頃の大貴はいつも、冷たい目をしていた。
「どうして」
「どうしてあたしがあそこにいるってわかったの」
「大貴はあいつが誰か知ってるの」
湧いてくる疑問を次々にぶつける。
「……大貴は、今何を考えてるの?」
あたしは大貴から目を逸らさなかった。
冷たく深い瞳。
一刻も早く逸らしたい。
でも、逸らしてはいけない。
そんな気がしていた。
あたしがこれからも大貴のそばにいるために、どうしても。