怪盗ブログ

あんまりだよあたし。

自分にがっかりだ……

恋人のお父さんの顔忘れるなんて……

しかも家はあの会沢。
覚えてないなんてあたしどうかして……


「って……え!?じゃあ十星って次大貴の実家狙ってるの!?」

「らしいなぁ」

大貴は再び箸を持って食べ始めた。



十星の仕事、ついてかなくてよかった。

仲間のものを盗るなんて、井乃月で大問題になっていたところだ。


「知ってて、狙ってるのかな?」

「さぁ?」


なんか、普通なんですけど。


「心配じゃないの?実家に知らせなくていいの?」


「掛け軸が盗られたって、別に困んねーと思う」


いいのか。それで。


「でも、さ。名前に傷が付くんじゃないの?」


大貴の実家は、井乃月と関わることで裏社会に通じている。
長い間井乃月の手助けをしてきた、そういう家柄だ。

その会沢が盗みに遭ったとなれば、会沢家、延いては井乃月の評価にかかわる。

< 184 / 263 >

この作品をシェア

pagetop