怪盗ブログ
客間を追い出されたあたしたちは大貴の部屋へ移動した。
大貴はこの3年間ずっと寮にいて帰省していなかったけれど、今でも部屋の掃除はされているらしく塵も埃もなく片付いていた。
家具も桐で出来ていると思われるタンスしかないので余計にさっぱりして見えた。
寮に移る際、私物はほとんど寮に持っていったらしい。
そんな中、あたしの目をひいたのは……
高校の制服。
卒業してすぐ寮に移ったからか、壁にはそれがまだ掛けられていた。
あたしはその制服を指差した。
たぶん、目は輝いていると思う。
「大貴!これ……」
「着ない」
読まれた。
「……じゃあ」
「着ない」
「……」
ま、まだ言ってないのに……!
「茶持ってくる」
「……ありがと」
逃げられた。