怪盗ブログ
―――20分後
「この家広すぎる……」
あたしは完全に迷っていた。
もう大貴が部屋に戻っているかもしれない。
しかし、あたしは大貴の部屋に戻ることも出来なかった。
「この家どうなってんの……」
誰か使用人とでも会えればいいのに、誰ともすれ違わない。
窓から外に出てしまえば庭で迷いそうだし。
屋根に上がっても皆が十星を警戒してる中だ。
変に思われて警備を混乱させるかもしれない。
それに……
十星に会ったら嫌だし。
あたしは廊下に座り込んだ。
「どうしよう……」
困り果て天を仰ぐと
「こんなところで何をしている?」
そこには会沢藤五郎がいた。