怪盗ブログ


「はい。いろいろ助けてもらってます」


「……あいつはまだ煮え切らんか」



「え?」



「まだしていないのだろう」



「何をですか?」



「男女の契りだ」



「え」


思わず足が止まる。


それに気付いた会沢藤五郎は振り返った。


「……やはりな。全く、いつまで悪足掻きする気だ」


言い終えると向き直って少し歩き、

「次を右に曲がったところだ」

そう言って何処かへ行ってしまった。
< 205 / 263 >

この作品をシェア

pagetop