怪盗ブログ



――――――トン



どのくらい歩いた頃だろうか。


背後で何か音がした。

足を止め、振り返る。


もしかして、いるの……?


目を凝らして見ても、そこはやはり真白でわからない。
いい加減、目も痛いし。
白ばっかり見ているせいで視覚の判断力も落ちてる。

それでも微かな気配を感じるような気はするのだけど……


「千夏、離れるなって言っただろ」


先に進んだ大貴の声がした。
もうその背中は見えなくなっている。


早く追いかけなきゃ―――


気配を警戒しつつ、大貴を追いかけようとしたそのとき


「―――!?」


あたしは背後から口を塞がれていた。






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