怪盗ブログ
伏せた夢
寮に着くと、大貴はドサッとソファに倒れ込んだ。
仰向けになって長く息をつく。
「お疲れさま」
昼過ぎまで寝ていたとはいえ、朝方まで話し込んでいたようだし、二日間で十時間近くの運転時間。
疲れていないわけがない。
「少し寝る……」
「うん。おやすみ」
部屋で着替えてリビングに戻ってくると、大貴はソファの上で既に寝息をたてていた。
起こさないようにタオルケットをかけて、キッチンへ向かう。
久し振りの料理。
大貴がほとんど寮にいるということもあって、骨折してから今日まで一度も料理をしなかった。
レトルトを料理としてカウント出来るのなら別だけれど。
「カレーにするか……」
久し振りだし、失敗しそうにないものをチョイス。
メニューを決めてから冷蔵庫の中身を確認する。
大貴と逆の手順。
あたしも一応女だ。
料理くらい大貴より上手くなりたいのだけど、これではまだまだ敵いそうにない。
「いや、一応ってなに」
自分でびっくりだ。