怪盗ブログ
漫画みたいにトーストをくわえて部屋を出た。
曲がり角で出会いがしらに転校生と衝突、なんてハプニングはないだろうけど。
階段を駆け下り、寮を出る。
少女漫画な展開を期待したわけじゃない。
ただなんとなく。
なんとなく、嫌な予感がしたんだ。
何も見えなかったし、音もしなかった。
気配も感じられなかった。
ただ悪寒がしたっていうか。
だけどあたしは止まらなかった。
その悪寒が走るのがちょっと遅かったんだ。
ちょうど寮門を出るところだった。
右足に鋭い痛みを感じたのは。
そこでやっとあたしは後ろに跳び退いた。