怪盗ブログ


漫画みたいにトーストをくわえて部屋を出た。

曲がり角で出会いがしらに転校生と衝突、なんてハプニングはないだろうけど。

階段を駆け下り、寮を出る。

少女漫画な展開を期待したわけじゃない。

ただなんとなく。
なんとなく、嫌な予感がしたんだ。

何も見えなかったし、音もしなかった。
気配も感じられなかった。

ただ悪寒がしたっていうか。


だけどあたしは止まらなかった。

その悪寒が走るのがちょっと遅かったんだ。


ちょうど寮門を出るところだった。


右足に鋭い痛みを感じたのは。


そこでやっとあたしは後ろに跳び退いた。
< 251 / 263 >

この作品をシェア

pagetop