怪盗ブログ
あたしは大貴が言っていた通り変装し、忙しなく動くスタッフや警察官達に紛れた。


ティアラには常に二人の警備がついていた。

閉館前に済ませなければ人数が増えるしセキュリティも強化される。



大貴の指示を待ちながら、あたしはティアラから少し離れた場所の展示品の横で解説するふりをした。



あたしの解説をふんふんと聞きながら展示品に見入っていた人が立ち去り、そろそろかと機をうかがっていたそのとき




パッ




館内の照明が落ちた。

窓がなかったその展示室は真っ暗になり、館内がざわつく。



まだ、早い。

大貴からの合図もない。




あたしは見逃さなかった。




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