怪盗ブログ
暗闇の中。

さっきまであたしに展示品の説明をさせていた男が、ティアラを持ち去るのを。


一瞬でティアラが収められたケースを音もなく割り持ち去った。

警報は鳴らなかった。


(―――十星)



あたしは急いで美術館を出た。
明かりが落ちている間に逃げなければ面倒だ。


スタッフを装っていたあたしが疑われる。






美術館前の並木道を抜けると警報が鳴り出し、同時に前を走る男を見つけた。





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